公認心理師に関して
公認心理師に関して
(後日談)後日談ですが、冒頭にもってきます。
下記の記事を書いたのは2018年9月の公認心理師試験の前だったと思います。
私は試験には合格しましたが、この資格を巡る状況がまだ混沌としているように
感じたのでまだ登録はしていません。
たとえば2019年1月には朝日新聞に次のような記事がでました。
緒に就いた「公認心理師」 課題超え、どう育てる:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASLDM4598LDMULZU008.html
資格は私たちのアイデンティティを確立するためにも大切なものです。
でも、私たち専門職といえども、
こころの問題に対して正解・不正解というものを
本当の意味で想定することはできない、と私は考えています。
正解・不正解を想定できる知識を身に着けておくことは大切です。
しかし、そうでないデリケートで流動的なこころの世界に触れるとき、
もっとも求められるのは治療者自身がその「わからなさ」や
否定性(ヘーゲル)に耐えうるこころを育てることではないか、
と私は考え、心理職としての仕事と並行して、
それとは異なる原理をもつ精神分析の訓練を積んでいます。
今後、「心理士」として、あるいは「心理師」になった場合、
そちらのアイデンティティを私自身がどう位置づけていくかについても
精神分析家になるための訓練のなかで自ずと明らかになるかもしれないとも考えています。
(2019-04-28)
以下が元の記事です。
2017年9月、公認心理師法が施行されました。
スクールカウンセラーなどでそれなりに認知されてきた臨床心理士は、実は国家資格ではなく、文科省が認可する認定協会発行の資格なのです。
今回、新しく国家資格となる公認心理師については下記の厚生労働省のHPに詳しく書かれています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116049.html
それによると第1回公認心理師試験は、平成30年中の実施が予定されています。
全国に3万を超える臨床心理士のほとんどが受験するのではないでしょうか。
しかしそのためにはこの資格試験を受けるための資格をもっていなければばりません。
すでに必要な単位を大学院で満たしている方はそれだけで受験できますが、それが足りない人は現任者対象の講習をうけて受験資格を得る必要があるのです。
今日はその講習会の申込日でした。様々な情報が見通し悪いまま発表され、土日祝コース、平日コースともに4、5日間かけて行われる講習会の収容人数は受けたいと思う人を全員受け入れることは難しそうで、しかも申し込みは「先着順」ということで、SNS上では苛立ったり、焦ったり、マニックになったり、それを批判的にみたり、様々なつぶやきが流れました。
私は、資格というのは、専門職として最低限このくらいはできる、ということを保証してくれるものであり、それだけといえばそれだけで、入口にすぎないのではないかなと思っています。
私たち臨床家は、私たちを訪れるみなさんの多様なニーズにこたえるためにそれぞれが訓練を続ける必要があり、それぞれが自分の臨床の営みを豊かにしていくことが資格を意味のあるものに変えていくのではないかと考えています。
下記の記事を書いたのは2018年9月の公認心理師試験の前だったと思います。
私は試験には合格しましたが、この資格を巡る状況がまだ混沌としているように
感じたのでまだ登録はしていません。
たとえば2019年1月には朝日新聞に次のような記事がでました。
緒に就いた「公認心理師」 課題超え、どう育てる:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASLDM4598LDMULZU008.html
資格は私たちのアイデンティティを確立するためにも大切なものです。
でも、私たち専門職といえども、
こころの問題に対して正解・不正解というものを
本当の意味で想定することはできない、と私は考えています。
正解・不正解を想定できる知識を身に着けておくことは大切です。
しかし、そうでないデリケートで流動的なこころの世界に触れるとき、
もっとも求められるのは治療者自身がその「わからなさ」や
否定性(ヘーゲル)に耐えうるこころを育てることではないか、
と私は考え、心理職としての仕事と並行して、
それとは異なる原理をもつ精神分析の訓練を積んでいます。
今後、「心理士」として、あるいは「心理師」になった場合、
そちらのアイデンティティを私自身がどう位置づけていくかについても
精神分析家になるための訓練のなかで自ずと明らかになるかもしれないとも考えています。
(2019-04-28)
以下が元の記事です。
2017年9月、公認心理師法が施行されました。
スクールカウンセラーなどでそれなりに認知されてきた臨床心理士は、実は国家資格ではなく、文科省が認可する認定協会発行の資格なのです。
今回、新しく国家資格となる公認心理師については下記の厚生労働省のHPに詳しく書かれています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116049.html
それによると第1回公認心理師試験は、平成30年中の実施が予定されています。
全国に3万を超える臨床心理士のほとんどが受験するのではないでしょうか。
しかしそのためにはこの資格試験を受けるための資格をもっていなければばりません。
すでに必要な単位を大学院で満たしている方はそれだけで受験できますが、それが足りない人は現任者対象の講習をうけて受験資格を得る必要があるのです。
今日はその講習会の申込日でした。様々な情報が見通し悪いまま発表され、土日祝コース、平日コースともに4、5日間かけて行われる講習会の収容人数は受けたいと思う人を全員受け入れることは難しそうで、しかも申し込みは「先着順」ということで、SNS上では苛立ったり、焦ったり、マニックになったり、それを批判的にみたり、様々なつぶやきが流れました。
私は、資格というのは、専門職として最低限このくらいはできる、ということを保証してくれるものであり、それだけといえばそれだけで、入口にすぎないのではないかなと思っています。
私たち臨床家は、私たちを訪れるみなさんの多様なニーズにこたえるためにそれぞれが訓練を続ける必要があり、それぞれが自分の臨床の営みを豊かにしていくことが資格を意味のあるものに変えていくのではないかと考えています。